「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を利用しよう
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本政策金融公庫が「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を開始しています。
利用要件が緩く、特別金利で利用できるので、コロナウイルスの影響で資金難に陥っている事業者の方は積極的に利用しましょう。
新型コロナウイルス対策では、融資の他に売上が減少した事業者・フリーランスに向けた補助金を用意しています。
補助金・助成金の給付は時間がかかるため、まずは融資を受けて現在の資金繰りを改善させることをおすすめします。
状況によっては、補助金等の給付で返済するプランを立ててもよいでしょう。
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」は国民生活事業と中小企業で利用要件が異なります。
それぞれの利用条件をまとめました。
国民生活事業
対象事業者
国民生活事業とは、中小企業に分類されない零細企業や創業期の企業が該当します。
新型コロナウイルス感染症特別貸付における中小企業の要件をご覧ください。
製造業、建設業、運輸業など:資本金3億円以下、または従業員300人以下
卸売業:資本金1億円以下、または従業員100人以下
小売業:資本金5千万円以下、または従業員50人以下
サービス業:資本金5千万円以下、または従業員100人以下
基本的に上記の基準より規模が小さい事業者は国民生活事業に分類されます。
利用条件
最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している方が対象。
業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は、最近1ヵ月の売上高が次のいずれかと比較して5%以上減少している方が対象です。
- 過去3ヵ月(最近1ヵ月を含む)の平均売上高
- 令和元年12月の売上高
- 令和元年10月から12月の平均売上高
5%の売上減で認められるので、対象範囲が非常に広いです。
利用条件を満たせば、ほかに大きな問題がない限り審査に通ります。
売上減少の直接的な理由がコロナウイルスの影響でない場合でも、経営難で事業者向け融資を利用しようとしている方は、一度相談してみてください。
使途
「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う社会的要因等により必要とする設備資金および運転資金」
このように明記しています。
コロナショックを伴う国内外の経済停滞を理由にした売上減少の運転資金でも使途対象です。
事業拡大を行う場合は、社会的要因等により必要性を求められるので注意しましょう。
融資限度額・返済期間
融資限度額:6,000万円
設備資金:20年以内(うち据置期間5年以内)
運転資金:15年以内(うち据置期間5年以内)
金利(利率)
3,000万円を限度として融資後3年目までは基準利率-0.9%。4年目以降は基準金利です。
令和2年4月1日時点の基準金利は国民生活事業1.36%、中小企業1.11%。
-0.9%の優遇を考慮した当初3年間の実質金利は国民生活事業0.46%、中小企業0.21%になります。
また、以下の要件を満たすと特別利子補給制度が適用され、実質無利子で借入可能です。
個人:要件なし
法人:売上15%減
個人法人ともに売上20%減
中小企業
ここまで紹介した国民生活事業と比べた中小企業の違いは以下の通りです。
- 利用条件で前年または前々年同期5%減を満たすことが必須(創業1期未満は対象外)
- 売上5%減に加えて「中長期的にみて、業況が回復し、かつ、発展することが見込まれること」が利用条件
- 融資限度額3億円、当初3年の-0.9%優遇は1億円まで
- 5年経過ごと金利見直し制度を選択できる
- 実質無利子条件が異なる(国民生活事業の項目を参照ください)
このように、利用条件が若干厳しいですが、融資限度額が優遇されます。
国民生活事業と同様に好条件での借入および実質無利子制度の適用があるので、資金難に陥っている企業は積極的に利用しましょう。
参考元:日本政策金融公庫(新型コロナウイルス感染症特別貸付) https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_m.html